カスタムマテリアル設定

表面材質ウィンドウの「情報」ポップアップメニューで「マテリアル情報 (DOKI)」を選択すると、マテリアルの種類ごとに追加パラメータを指定することができます。
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マテリアルの種類

「マテリアル情報」ダイアログボックスの「マテリアルの種類」では、以下の4つを選択できます。

マテリアルの種類 説明
Shade3D 表面材質ウィンドウのパラメータをPBRマテリアルにある程度近似して使用(デフォルト)
PBRマテリアル 表面材質ウィンドウのパラメータをPBRマテリアルとしてそのまま扱う
ガラス (Glass) 透明体専用のマテリアル。テクスチャマッピングは使用できません。
発光 (Luminous) 発光を行うマテリアル。テクスチャマッピングは使用できません。

「Shade3D」「PBRマテリアル」での追加パラメータ

表面材質ウィンドウの「情報」ポップアップメニューで「マテリアル情報 (DOKI)」を選択し、表示されるダイアログボックスで追加パラメータを指定できます。
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「マテリアルの種類」が「Shade3D」「PBRマテリアル」のどちらの場合でも同じパラメータを指定します。
OSPRayのマテリアルの種類「Principled」を割り当てています。

追加パラメータ名 説明
透明度の減衰距離 透明を指定する場合、指定の距離により減衰(単位 mm)
エッジカラー メタリック使用時に外周を指定の色でにじませる
薄い形状(thin) 薄膜の形状の場合はOnにする
厚み 「薄い形状(thin)」がOnのときの仮想的な厚み (単位 mm)
バックライト 「薄い形状(thin)」がOnのときの裏面が明るくなる表現。
1.0の場合は反射50%、透過50%、
2.0の場合は透過100%

表面材質ウィンドウで「透明」を指定している場合、「透明度の減衰距離」の距離で減衰が行われます。
表面材質ウィンドウの「透明」と「透明色」を透明体で使用します。
以下は、半径200mmの球を透明にして透明色をRGB(102,109,244)とし、「透明度の減衰距離」を100mmとしたレンダリングです。
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以下は、「透明度の減衰距離」を左から100/200/400/800としました。
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減衰距離値が大きくなると、透明色が薄くなっていくのを確認できます。

「エッジカラー」は、金属などのメタリック使用時に周囲を指定の色でにじませる表現を行えます。
金属表現以外ではエッジカラーは無効です。
以下は、左がエッジカラーを白(デフォルト)、右がエッジカラーを青にしています。
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「薄い形状(thin)」をOnにすると、「厚み」「バックライト」の指定ができるようになります。
これは、木の葉などの1枚板の形状、透明体で薄膜がある表現などで使用します。
以下は半径200mmの球を配置し、「透明度の減衰距離」を400(mm)としました。
共に屈折率を1.5としています。
左が「薄い形状(thin)」をOffにしたもの、右がOnにして「厚み」を50(mm)としたものです。
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左の球体は中身が詰まっていますが、右の球体は屈折がなく薄膜表現となっているのを確認できます。

以下は木の表現です。
この場合、葉は板ポリゴンとして構成されています。
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「薄い形状(thin)」をOnにし、「厚み」を5mm、「バックライト」を1.0としました。
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これにより、葉の裏側に少し光が回り込んで明るくなるような表現になります。

クリアコート

追加パラメータ名 説明
クリアコート クリアコートの適用率 (0.0 - 1.0)
屈折率 クリアコートでの屈折率
クリアコートでの色
厚み クリアコートでの仮想的な厚み (単位 mm)
ラフネス クリアコートでのざらつき

表面にクリアコートのマテリアルを重ねます。
現状はテクスチャは使用できず、マテリアルごとの割り当てとなります。

以下は左が元の形状で、「屈折」 1.5、「メタリック」 1.0、「ラフネス」 0.3としています。
これに対して右の形状に「クリアコート」 1.0、「屈折率」 1.5、「色」 紫(RGB(128, 0, 255))、「厚み」 10.0(mm)、「ラフネス」 0.1としました。
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光沢

追加パラメータ名 説明
光沢 光沢の適用率 (0.0 - 1.0)
光沢の色
色合い 光沢色からベースカラーに向かっての色のなじみ具合
ラフネス 光沢でのざらつき

光沢、艶として、輪郭部を指定色でにじませる効果を出します。
以下は「光沢」 1.0、「色」 青(RGB(0, 0, 255))、「色合い」 0.0、「ラフネス」 0.5としました。
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「ガラス(Glass)」のパラメータ

「マテリアルの種類」が「ガラス(Glass)」の場合は、
OSPRayのマテリアルの種類「Glass」(厚みのあるガラス)または「ThinGlass」(薄膜のガラス)を割り当てています。
これはガラス表現専用のマテリアルになります。
メタリックやラフネスのパラメータはありません。
テクスチャを指定できません。
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透明体の場合は、厚みのある形状と薄い形状はマテリアルを分けて管理します。
「ガラス(Glass)」では、表面材質ウィンドウのパラメータはいずれも参照しません。
すべて、この「ガラス(Glass)」のパラメータのみ使用します。

追加パラメータ名 説明
薄い形状 (thin) 薄膜の形状の場合はOnにする
屈折率 薄膜の形状の場合はOnにする
減衰の色 ガラスの減衰色
減衰の距離 指定の距離により減衰 (単位 mm)
厚み 「薄い形状 (thin)」がOnの場合の仮想的な厚み (単位 mm)

以下は半径200mmの球を配置し、
「屈折率」 1.5、「減衰の色」 薄紫(RGB(128, 128, 255))、「減衰の距離」 500(mm)とし、
左は「薄い形状 (thin)」をOff、右はOnにして「厚み」を50(mm)としました。
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マテリアルの種類が「Shade3D」「PBRマテリアル」のときよりは自由度はないですが、比較的少ない手順でガラス表現を行うことができます。

「発光 (Luminous)」のパラメータ

「マテリアルの種類」が「発光 (Luminous)」の場合は、
OSPRayのマテリアルの種類「Luminous」を割り当てています。
これは発光表現専用のマテリアルになります。
テクスチャを指定できません。
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「発光 (Luminous)」では、表面材質ウィンドウのパラメータはいずれも参照しません。
すべて、この「発光 (Luminous)」のパラメータのみ使用します。

追加パラメータ名 説明
発光色
明るさ 発光の明るさ
透明度 透明度 0.0-1.0。1.0に近づくと発光のみとなり影を落とさない。

「色」で発光色を指定し、「明るさ」を0.0より大きくすると発光体となります。
「透明度」が1.0の場合は形状自身は透明となり、影が落ちません。
以下はチューブ状の形状を黄色に発光させています。
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面がある形状であれば、どのような形でも発光体にすることができます。

発光使用時の「光源ジョイント」の使用

「マテリアルの種類」で「発光 (Luminous)」を割り当てている形状が「光源ジョイント」内にある場合、
光源ジョイントの「光源ジョイント属性」の値をモーションのキーフレームとして指定できます。
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これを使用することで、光源の明るさをアニメーションレンダリング時に変えることができます。