レンダリングの指定

DOKIのレンダリング(内部的にはOSPRay)は、レンダリング設定で「手法」を「DOKI」にすることで行います。
また「設定」ボタンを押すとDOKIのレンダリングオプションが表示されます。
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「レンダリング設定」タブでレンダリングのパラメータを指定、
「トーンマップ」で後処理のトーンマップの指定を行います。

レンダリング設定

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「パノラマ」でパノラマレンダリングの種類を指定します。
「なし」「パノラマ360」「パノラマ360 (Top Bottom)」「パノラマ180 (Left)」「パノラマ180 (Right)」「パノラマ180 (Side by side)」を選択できます。
「カメラ間距離 (IPD)」はステレオレンダリング時の距離です。
これは目の瞳孔間距離になります。デフォルトは63.5(mm)です。

「ピクセルサンプリング数」はレンダリング工程の1段階目のサンプリング数です。
「ピクセルサンプリング数の繰り返しの数」は1フレームで何回レンダリングを重ねるかの指定です。
「ピクセルサンプリング数」x「ピクセルサンプリング数の繰り返しの数」が1フレームでのサンプリング数になります。
通常は、「ピクセルサンプリング数の繰り返しの数」の数を増やすことでサンプリングによる精度を高めることになります。
サンプリング数が大きいほどより正確なレンダリング結果の収束しますが、レンダリング時間がかかることになります。
「光線追跡レベル」は視点から飛ばされたレイが拡散反射や透過/屈折、鏡面反射などを経由して最大何回追跡するかの指定です。

「マテリアルを無効化」チェックボックスがOnの場合、
すべての形状のマテリアルを使用しない状態でレンダリングが行われます (ver.1.1.1.0 -)。
以下の右がマテリアルを無効化してレンダリングした画像になります。
rendering_setting_ignore_materials.jpg
光の回り込みだけを確認したい場合などに使用します。
木の葉のような不透明度(Opacity)のマッピングを使用した場合、それはマテリアルに反映されます。
「法線/バンプマップを反映」チェックボックスがOnの場合は、法線やバンプマップが作る凸凹も反映されます。

フォグを「有効」にすると、全体の霧効果がかかります。
カメラの視線方向に向かって「開始距離」から「終了距離」の範囲で霧を発生させます。
「霧の強さ」で霧の密度を指定します。
「霧の色」は霧の色を指定します。

「イメージのガンマ指定を考慮」チェックボックスがOffの場合、
すべての色/ベースカラーテクスチャ(拡散反射テクスチャ)はOSPRayにsRGBとして渡されます。
この場合、レンダリング工程ではすべてリニアに変換されることになります。
それ以外のテクスチャや背景のHDRIはそのままリニアとして渡されます。
これにより、レンダリングで「リニアワークフロー」が考慮されます。
「イメージのガンマ指定を考慮」チェックボックスがOnの場合、
各イメージの「ガンマ」の値により逆ガンマ変換が行われてOSPRayに渡されます。
また、すべての色はリニアに変換されて渡されます。
詳しくは「リニアワークフロー」をご参照くださいませ。

「Denoise」チェックボックスをOnにすると、1フレームのレンダリングの最後で後処理としてノイズ除去が行われます。
これにより、高周波ノイズが緩和されるためレンダリング時間の大幅な短縮につながります。
注意事項などは「トーンマップとDenoise」をご参照くださいませ。

トーンマップ

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「プリセット」でトーンマップの種類を指定します。
トーンマップはレンダリングの処理で、HDRIとしての結果をモニタで表示する際の落とし込み工程になります。
よりリアルに見せるためにはこの処理は必須になります。また、演出的な効果を与える際も使用します。
デフォルトでは「なし」となっており、これはトーンマップを行わない指定になります。
「なし」「初期設定」「フィルム」「カスタム」から選択できます。
「初期設定」はOSPRayでのトーンマップを割り当てたときのデフォルト値です。
「フィルム」は、写実的に見えるフィルム効果風のトーンマップです。
“Uncharted 2"で使われるfilmic tone mapping curveになります。
「カスタム」はトーンマップの各種パラメータを手動調整できます。
それぞれのパラメータの説明については「トーンマップとDenoise」もご参照くださいませ。

部分レンダリングの対応

Shade3Dの部分レンダリングは、「パノラマの種類」が
「なし」「パノラマ360」の場合にのみ有効です。
ただし、ボリュームやフォグを使った場合は部分レンダリングの矩形の境界部が正しくならない場合があります。

パノラマレンダリング

「パノラマ」で選択できるパノラマの種類は以下になります。

パノラマの種類 説明 ステレオ
なし 通常のレンダリング -
パノラマ360 カメラを中心にパノラマレンダリング (Equirectangular) -
パノラマ360 (Top Bottom) カメラを中心にパノラマレンダリング。
上に左目/下に右目のレンダリング結果を配置。
o
パノラマ180 (Left) 180度パノラマの左目のレンダリング -
パノラマ180 (Right) 180度パノラマの右目のレンダリング -
パノラマ180 (Side by side) 180度パノラマのレンダリング。
左に左目/右に右目のレンダリング結果を配置。
o

「パノラマ180 (Left)」と「パノラマ180 (Right)」を左右につなぎあわせると、「パノラマ180 (Side by side)」の結果になります。
これは、Shade3D Standardで解像度が不足する場合の手段になります。
Shade3D Standardでレンダリングできる最大解像度は4500 x 4500になります。
8K解像度の「パノラマ180 (Side by side)」を作りたい場合に有効です。

なし

通常のレンダリングを行います。
rendering_panorama_01.jpg

パノラマ360

Equirectangularのパノラマレンダリングを行います。
通常はレンダリング画像サイズを2:1の比率にします。
rendering_panorama_02.jpg

パノラマ360 (Top Bottom)

Equirectangularのパノラマレンダリングを、ステレオで行います。
上に左目、下に右目のパノラマレンダリング結果を配置します。
通常はレンダリング画像サイズを1:1の比率にします。
rendering_panorama_03.jpg

パノラマ180 (Left)

Equirectangularのパノラマレンダリングで180度の範囲をレンダリングします。
これは左目になります。
通常はレンダリング画像サイズを1:1の比率にします。
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パノラマ180 (Right)

Equirectangularのパノラマレンダリングで180度の範囲をレンダリングします。
これは右目になります。
通常はレンダリング画像サイズを1:1の比率にします。
rendering_panorama_05.jpg

パノラマ180 (Side by side)

Equirectangularのパノラマレンダリングで180度の範囲をレンダリングします。
左に左目、右に右目のレンダリング結果を配置します。
通常はレンダリング画像サイズを2:1の比率にします。
rendering_panorama_06.jpg
これは、VR180の用途で使用されるレンダリング結果となります。

フォグ

フォグを「有効」にすると、全体の霧効果がかかります。
これは内部的には「ボリューム」を使用しています。

オリジナルのレンダリング結果を以下とします。
rendering_fog_01.jpg

これに対してフォグを有効にし、「開始距離」 100(mm)、「終了距離」10000(mm)、「霧の強さ」0.2、「霧の色」を白、としました。
rendering_fog_02.jpg
「開始距離」-「終了距離」の範囲が大きい場合、霧が濃い場合はレンダリング時間がかかることになります。

レンダリングで調整できるその他のパラメータ

Shade3Dのレンダリング設定で、いくつかのパラメータを調整できます。
rendering_others_01.png

「基本設定」タブ内の「面の分割」の指定で、自由曲面やポリゴンメッシュのサブディビジョン、「閉じた線形状」などの分割レベルを調整できます。
DOKIはプラグインレンダラのため、標準レンダリングと比べて分割レベルが1段階低くなっています。
そのため「面の分割」を「普通」から「細かい」にするか、
ブラウザで対象形状の名前の前に「<」を付けることでShade3Dの標準レンダリングと同じ分割レベルとなります。

「背景を描画」チェックボックスをOffにすると、背景は表示されなくなります。

レンダリングで出力されるレイヤ (マルチパス)

マルチパスとして、デフォルトでは「Z値」を出力しています。
それ以外に「法線」を出力できます。
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